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楽天で売上が落ちたときの対処法と原因分析2025年12月5日

楽天の売上グラフがストンと落ちた瞬間って、心臓に悪いですよね。
「何かやらかした?」「このままゼロになったらどうしよう」と不安になって、
・とりあえず広告を倍にする
・とりあえずページを全部作り直す
みたいな「とりあえずリニューアル」をしたくなります。
でも、ここで一番大事なのは“手を動かすこと”ではなく、“慌てないこと”です。
売上減少には必ず「構造的な理由」がありますが、多くの場合は1つの原因ではなく、いくつかの要因が重なっているだけです。
この記事では、まずなぜ「慌てない」が最優先なのか楽天で売上が落ちる典型的な原因売上変動パターンの見方(リピート商材かどうか)実際にやるべき「安定化・回復」の現実的な打ち手という流れで整理していきます。
なぜ「慌てない」が最優先なのか
売上が落ちたとき、ほとんどの失敗は“原因が見えていないのに対策だけ先にやる”ところから始まります。
たとえば、実は「一時的な偶然」なのに、広告をガンガン増やして赤字にする「もともとそこまで強くなかった商品」なのに、商品ページをいじり倒してコンバージョン率まで落とすアルゴリズムの一時的な揺れなのに、キーワードやカテゴリを弄りまくって本当に順位を落とす
こうした“空振りの対策”は、一度始めるとやめにくく、「広告費だけが増えて利益が減る」「ページが迷走して元の良い状態に戻れない」という悪循環を生みます。
まずやることは、「これは本当に“構造問題”か、それとも“たまたま”か」を見極めることです。
楽天は、検索順位や広告表示が日々微妙に揺れているプラットフォームで、アルゴリズム調整も定期的に入ります。急な順位変動や流入減は、アルゴリズム変更の影響であることも少なくありません。
つまり、1〜2週間の数字だけを見て“店が終わった”と判断するのは早すぎるということです。
楽天で売上が落ちる主な原因
売上が落ちたときに考えるべき要因は、大きく4つに整理できます。
① 競合の台頭(価格・ページ・レビュー)
1つ目は、「前より強い競合が増えた」というパターンです。
価格を大きく下げてきた店
画像・動画・レビュー数を揃えて一気に作り込んだ店
大手ブランドや公式ショップが楽天に参入してきた
こうした“強い競合”が登場すると、検索結果のクリックがそちらに流れ、自店の商品が「見られてはいるけど、選ばれにくい」状態になります。
この場合、売上はじわじわと右肩下がりになることが多く、「先月まで好調 → 今月だけ半分に激減」という形にはなりにくいのが特徴です。
② 楽天側のアルゴリズム・広告ロジックの変化
2つ目は、楽天側のロジック変更です。
楽天市場では、検索結果の並び順、「おすすめ順」の評価ロジック、RPP(検索連動型広告)の表示・入札ロジックなどが、随時アップデートされています。
その結果、同じ入札でも広告の露出が減る、評価項目(レビュー、出荷実績、転換率など)のウエイトが変わり、順位が動くといったことが起きます。ある日を境にPVがガクッと落ちた場合は、このパターンを疑う価値があります。
この要因は、自分の店舗だけを見ていても分かりづらいため、楽天の公式アナウンス、同ジャンルの他店舗の動き、RPPのインプレッション推移を合わせて確認すると見えてきます。
③ 商品ライフサイクル(飽き・トレンドの終わり)
3つ目は、商品そのものの“旬”が終わりつつあるケースです。
流行グッズ(例:ある時期のマスク、ウイルス対策グッズ、特定のダイエット器具)、季節商材(夏物・冬物)、一時的にバズったアイテム。
こうした商品は、一度ピークを迎えた後、どうしても売上がゆるやかに落ちていきます。
アクセスも売上も同じようなカーブで下がるなら、原因は「店」ではなく「市場側」にあると考えて良いことが多いです。
この場合、ページをいじり回しても根本的な需要減は止められない。
別の商品・別カテゴリへの展開を考えた方が建設的という判断になります。
④ 偶然・複合要因(「どうしても説明しきれない」揺れ)
4つ目は、どうしても理由を断定できない揺れです。特に商品数が少ない店、リピートの少ない商材(スマホケース、家電アクセサリーなど)の場合、そもそもの注文数が少ないので、「たまたま2週間、注文が少なかった」というだけでも、グラフ上は“売上半減”に見えます。
また、小さなトレンドの変化たまたま大口のお客さんが減った。
楽天内イベントの有無。
など、複数の小さな要素が重なっていることも多いです。
データ上、決定的な1つの原因が見つからないなら、「今回は偶然」と割り切る勇気も必要です。
リピート率で変わる「揺れの大きさ」を知る
売上のグラフを見るときに忘れがちですが、「商材のリピート性」で、売上の安定度はまったく違います。
リピートが少ない商材は、そもそもブレやすい。
例として、スマホケース、PCアクセサリー、家具など「一度買ったらしばらく買い替えない」商材を考えてみましょう。
・一人のお客様が買って終わり
・買い替えが数年単位
・「楽天でまた同じものを買う」とは限らない
こういう商品は、そもそも売上がジグザグになるのが当たり前です。
注文数が少ないうちは、たまたま1〜2週間注文が減るだけで、グラフはかなり大きく下がって見えます。
リピートがある商材は、土台が安定してくる
一方、ドッグフードやサプリ・化粧品・日用品など、「消耗品」「定期的に買い足す前提」の商品は、リピートが増えるほど売上の底が安定していきます。
EC全体で見ると、商材にもよりますが平均リピート率はおよそ30%前後と言われます。
この「リピートの土台」を持てているかどうかで、「売上が下がったときのダメージ」「回復にかかる時間」が大きく変わります。
だからこそ、「うちの商品はそもそもブレやすい構造なのか?」を一度冷静に見ておくことが大事です。
売上を安定・回復させるための現実的な打ち手
ここからが実務の話です。
売上が落ちたときに、本当に効くのは「構造を強くする対策」です。
1)リピート客を増やす仕組みを作る
まずは、今すでに買ってくれているお客様との接点を増やすことです。
・メルマガ・LINE公式アカウント
・同梱チラシからの再訪促進(クーポン、次回使える特典など)
・定期購入・まとめ買いの提案
楽天内だけに閉じず、お客様と直接コミュニケーションできる“導線”を少しずつ作ることで、「楽天の検索順位が下がっても、リピート分の売上は残る」状態に近づいていきます。
2)新商品・ヒット商品で「落ちた分」を取り返す
落ちた売上を“元の商品”で取り返すのは、実はかなり難しいです。
それよりも、「別の商品で新しい売上を作る」発想の方が現実的です。
・今の主力商品の「色違い」「サイズ違い」「セット商品」
・お客様の購入履歴から考えた「関連ニーズ」商品
・すでに売れている商品の「上位版 or お試し版」
新しい商品が1つ当たれば、それだけで「落ちたA商品の分を、B商品で補う」という展開ができます。
楽天で伸びている店舗は、ほぼ例外なく「新商品を出し続けている」という共通点があります。
3)商品点数を増やして、売上のブレを分散する
商品数が少ないショップほど、
・ヒット商品の調子ひとつで売上が乱高下する
・どれか1商品の不調=「店全体の不調」に見える
という状態に陥りやすくなります。
逆に、商品数が増えていくと、
・カテゴリごとに安定商材とチャレンジ商材を持てる
・どれかが落ちても、他の売上が土台を支えてくれる
という「ポートフォリオ型」の安定構造を作れます。
楽天コンサル系の事例でも、「商品数を増やしつつ商品力を磨いていく」ことが、中長期で売上を安定させる王道だと繰り返し指摘されています。
4)「落ちた売上を戻す」のではなく、「次に落ちても怖くない店」にする
最終的なマインドとして大事なのは、「過去の売上に戻る」ことをゴールにしないことです。
・リピートの土台を作る
・新商品・新カテゴリを育てる
・商品点数を増やしてリスクを分散する
こうした「構造の強化」を進めていけば、またいつか売上が落ちる局面が来ても、前より落ち幅が小さく、回復も早い店になっていきます。
一方、その場しのぎの広告増額、毎月のようにページをリニューアルだけを繰り返していると、「売上グラフと一緒に、利益と自分の体力も削れていく」状態になりがちです。
売上グラフに振り回されない店になる
楽天の売上が落ちたとき、真っ先にやるべきことは「落ち着いて、原因の“型”を見分ける」ことです。
競合なのかアルゴリズムや広告ロジックなのか商品の旬が過ぎているのか、それとも、今回は本当にただの偶然なのか
これを見分けたうえで、「構造を強くする方向」にだけ、時間とお金を使う。
そうすれば、たとえ短期的に売上が揺れても、自分のメンタルが壊れにくくなり店としても、次の波に乗りやすくなります。
売上グラフは“あとからついてくる結果”です。焦ってグラフを押し上げようとするより、土台そのものを厚くしておくことが、楽天で長く生きる一番の近道だと思います。









