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楽天市場で初心者がハマりやすい「3つの罠」と抜け出し方2025年12月13日
楽天でこれからお店を始める人、あるいは始めたばかりの人は、だいたい同じところでつまずきます。
「この商品が好きだから売りたい」
「とりあえず出店すれば、なんとかなるはず」
気持ちはすごく分かるのですが、今の楽天市場は “好きなものを並べただけで勝てる場所” ではないんですよね。
もう20年以上かけて育った巨大モールで、長年やってきた店には、広告費も、ノウハウも、人材も、レビューも、全部そろっています。
この記事では、そんな楽天市場で 初心者がほぼ必ずやってしまう3つのミス と、そこから抜け出すための考え方・具体的な打ち手を、できるだけ現場感のある目線でまとめます。
「自分が売りたい商品」で、いきなり激戦区に突っ込むミス
まず最初の典型的なミスは、「自分が好きな・売りたい商品」=「楽天で戦う商品」と決めてしまうことです。
たとえば、あなたがウッドデッキが大好きだとして、「よし、楽天でウッドデッキ専門店をやろう!」と思ったとします。
実際に楽天の検索窓に「ウッドデッキ」と入れて検索してみると、既にレビューが何千件もついたショップ、楽天ランキング常連の商品、メーカー直販、ホームセンター系の大手まで、ずらっと並びます。
その人たちは何年分ものレビューと実績、大量仕入れによる原価の安さ、専任の運用担当・広告運用チームを背景に戦っています。ここに 「開店したばかり・広告予算も少ない初心者」が、そのまま同じ土俵で殴り込み をかけても、正直なところ勝負になりません。
本当は、ここで発想を切り替える必要があります。
「ウッドデッキを売りたい」ではなく「楽天の中で、まだマシな勝ち目がありそうな場所はどこか?」を探しに行く感覚です。
たとえば同じ「庭まわり」でも、
・既製品ではないニッチなサイズ
・組立が簡単な樹脂製のデッキキット
・DIY初心者向けの小さめベランダ用セット
など、検索結果を細かく見れば「真っ赤な海ではない場所」が必ずあります。
「感情で商品を決める」前に、「市場の現実」で土俵を選び直す。
ここをサボると、その後どれだけ広告を打っても、ページを作り込んでも「そもそも土俵負け」してしまうんです。
リピートが生まれない「一発勝負商品」だけで戦うリスク
2つ目のミスは、一度買われたら終わりの商材だけで戦ってしまうことです。
例えば「金庫」「大型家具」「一生モノの道具」などは、1人のお客様が同じ商品を繰り返し買うことはほとんどありません。
こういう商材がダメというわけではありませんが、「リピートなし × 激戦区 × 新規出店」 の三重苦になると、常に新規顧客を追いかけるために広告費を垂れ流す構造になりがちです。
マーケティングの世界には有名な「1:5の法則」があります。
ざっくり言うと、新規顧客を獲得するコストは、既存顧客を維持するコストの5倍かかるという経験則です。
つまり、リピートしてくれるお客様を持っている店ほど、同じ売上でも 必要な広告費が少なくて済む ということです。
ネットショップで長く戦うつもりなら、1回ポッキリの「一発勝負商品」だけで構成された店よりも、定期的に買ってもらえる「リピート商材」をきちんと混ぜた店にしていく必要があります。
たとえば、
消耗品(フィルター、詰め替え、リフィル)
季節ごとに買い替えるもの(ファッション小物、消耗する雑貨)
趣味・コレクション系(シリーズ買いが起こりやすいもの)
など、「同じお客様が2回、3回と戻ってきてくれる」ラインナップを意識しておくと、長期的にかなり楽になります。
「自分のやり方」で突っ走り、現実を見ないまま走り続ける
3つ目のミスは、少し耳に痛い話ですが、そもそも「今から楽天を始める厳しさ」を甘く見ていることです。
楽天市場や国内ECモールは、もう黎明期ではありません。長年やっているお店は、商品点数もレビューもSEOの蓄積も、すべて積み上げたうえで今の売上を作っています。
そこに 「自分は楽天初挑戦・ECもよく分からないけど、好きな商品で一発当てたい」 というテンションで入っていくと、
・競合調査をほとんどしない
・広告の仕組みも分からないまま出稿する
・ページも「自分がカッコいいと思うデザイン」で作る
という流れになりがちです。
結果として、「頑張ってるのに、なぜか全然売れない」という状態で疲弊してしまうわけです。
ここで必要なのは、才能ではなく 「謙虚さ」と「設計し直す勇気」 です。
・先にうまくいっている人の話を聞く
・数字をきちんと見る(検索順位、クリック率、転換率)
・自分の「センス」より、お客さんの行動データを信じる
この3つを徹底していくだけでも、「負けパターン」からはかなり外れていきます。
じゃあ初心者はどう動けばいいのか? 今日からできる3つの対策
ここまでの話を、日々の行動レベルに落とすと、次の3つになります。
まず「商品」ではなく「土俵」を選び直す
最初にやるべきは、「これを売りたい」と思っている商品名で楽天内検索をしまくることです。
1.何ページ目まで同じような商品が続いているか
2.上位の店はどんな価格帯で、どんな写真・レビュー数なのか
3.OEMっぽい同型商品がどれくらい並んでいるか
それを見て、「これはさすがに真っ赤な海だな」と感じたら、思い切って サイズ・素材・セット内容・ターゲット をずらしてみます。
「自分の売りたい商品」を捨てる必要はありませんが、“どの切り口で楽天に持ち込むか” を柔らかく考え直す ことが大事です。
リピート前提でラインナップを組み立てる
次に考えるのは、「一度買った人に、次に何を提案できるか」です。
・A を買った人は、何かのタイミングで B も必要にならないか
・消耗品やオプションを、後から自然に提案できないか
・シリーズ化して「集めたくなる」「季節ごとに買いたくなる」構成にできないか
これを考えながら、少しずつ商品点数を増やしていくと、「1点が落ちても、他の商品が売上を支える」構造に近づいていきます。
広告費をかけるのも、「新規ばかり集めるための広告」ではなく、
「既存のお客様にもう一度来ていただくための導線」にも割いていくイメージです。
一人で抱え込まず、「相談前提」でショップを設計する
最後に、精神論ではなく現実の話として、一人きりで全部やろうとするほど、判断はズレていきます。
・すでに楽天で売れている知人・コンサル・運営代行
・楽天が公開している公式セミナー・ノウハウ記事
・成功店舗のページ構成やレビューの集め方
こういったものを「素直にマネする」「質問して教わる」ほうが、自己流で何ヶ月も遠回りするより、結果的にコストも時間も少なくて済みます。特に、売れない時ほど人は焦ってとにかくバナーを増やす。とにかくクーポンを乱発する。とにかく広告費を増やすといった「とにかく〇〇」をやりがちですが、
ここで一度立ち止まって 第三者と一緒に数字を眺める のが、実は一番の近道だったりします。
まとめ:楽天で「負けない店」を作るために
楽天市場で初心者がハマりやすいのは、
・好きな商品だけを握りしめて、激戦区に正面から突っ込む
・一発勝負商材だけで、リピートをまったく設計しない
・「自分のやり方」にこだわりすぎて、現実と他人の知恵を取り入れない
という3パターンです。
逆に言えば、土俵選びを冷静にやり直しリピート前提で商品・導線を組み立て、謙虚に相談しながら、データと現実に合わせて微調整していく。この3つを守れば、「いきなり大成功」は無理でも、「大きく負け続ける」確率はかなり下げられます。
楽天は、もう簡単には勝たせてくれない場所です。
だからこそ、「気合い」ではなく 設計と現実認識 で静かに差がつきます。
もし今、売上がゼロに近くても大丈夫です。
今日この記事を読みながら、どの土俵を選ぶか、どの商品を足していくか、誰に相談しに行くかを一つずつメモしていけば、それがもう「勝ち筋を作る最初の一歩」になっています。









